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【獣医師執筆】犬の涙やけとは?簡単にできるケア|原因は雑菌?アレルギー?

犬 涙やけ

ワンちゃんの目頭から鼻にかけての毛が変色してきていませんか?もしかすると、涙やけかもしれません。

真っ白だった毛が茶色などに変色してしまうと気になってしまいますね。涙やけを放置していると、別の目の病気を引き起こす事もあります。

  • ワンちゃんの目元が茶色く変色するのはなぜ?
  • 涙やけになりやすい犬種は?
  • 涙やけとドッグフードは関係があるの?
  • 涙やけの予防方法は?

など、今回は涙やけについて、治療や緩和方法について詳しく解説いたします。

WRITER PROFILE
獣医師 高橋 渉
獣医師 高橋 渉
2011年北里大学獣医学部獣医学科卒後、都内と埼玉の動物病院に勤務。2018年東京都杉並区に井荻アニマルメディカルセンターを開院しました。犬猫に優しい病院作りを目指し、キャットフレンドリー、フェアフリーなどの取り組みを行っています。

犬の涙やけとは?

チワワ 虫眼鏡

①「涙」とは

まず、「涙」について簡単に触れます。涙は、人ではあくび、玉ねぎを切ったとき、痛いとき、感情が高ぶったときなど様々なときに流れますが、それぞれ役割があります。

「涙」の役割

  • 眼の表面の栄養補給
  • まぶたの動きの潤滑
  • 眼の表面の傷を治す
  • 眼を雑菌から守る

などの役割があります。

涙には上記のような重要な機能があります。涙は目にとどまっているように見えますが、実際は絶えず流れているものです。

涙の経路は、まず涙腺という部位で血液から作られ、眼の表面を流れ、涙点という部位から鼻涙管を通って鼻に抜け、喉に流れていきます。本来ならば外側に流れるほどの量はありませんが、なんらかの理由によって外へ溢れる場合があります。

②「涙やけ」とは

「涙やけ」とは、目から涙がこぼれてしまう流涙症(りゅうるいしょう)という病気によって、目頭の毛に涙がつき、それが変色してしまった状態です。

涙やけ自体は、病気というわけではありませんが涙やけによって、見た目の変化やその部位に雑菌が増えることで炎症が起こり、痒みが出ることがあります。また、涙やけがほかの眼の病気の合図になっていることがあるため注意が必要です。

涙やけとは

  • 涙やけ自体は病気ではない
  • 目から涙がこぼれる「流涙症」という病気で目の周りの毛が変色する

犬の涙やけの原因は?

チワワ 涙やけ

涙やけは、涙がこぼれる流涙症が原因となります。では、その流涙症の原因ですが、それについては様々なものがあります。それらを大きく分類すると生まれ持った障害である先天的なものと病気によっておこる後天的なものに分けられます。

涙やけの原因

【先天的な原因】

  • 涙をうまく鼻に流せない子
  • まぶたの形が内向きになっている子

【後天的な原因】

  • 涙の出口の外傷や炎症によって病気になる
  • アレルギー症状
  • 目に痛みのある疾患や目にゴミが入るなど

などの原因があります。

① 先天的な原因

【涙の出口の問題】
涙は、目の涙点という部位に入り、鼻涙管を通って鼻に流れます。しかし、先天的にこの鼻涙管が細い子や管の形状が変形している子などでは、排出がうまくいかず涙がこぼれてしまいます。また、涙点が生まれ持って小さい子やない子も、涙が流れずこぼれてしまいます。

【まぶたの形】
まぶたは、目から涙がこぼれないように支えていますが、その形の問題で涙を蓄えることができずこぼれてしまう場合があります。また、目が真ん丸な子やまぶた自体が内向きになってしまっている子では、睫毛が眼球に接してしまい、それが刺激になって涙液が増えて、その排出能力を上まわってしまうと涙がこぼれる場合があります。

② 後天的な原因

後天的な原因として、多くの目の病気が涙の排出能力を低下させたり、涙液の量を増やしたりします。

【涙の出口に起こる病気】
涙の出口である涙点から鼻涙管にかけて起こる病気によって涙がこぼれてしまう場合があります。例えば、眼や涙点の外傷、炎症や異物、腫瘍などによる鼻涙管の閉塞などがあげられます。

【アレルギー】
アレルギーは、ほこりなどのハウスダスト、花粉やノミダニなどの環境から起こるアレルギーと食べ物から起こるアレルギーなどがあります。それらのアレルギーの症状で、目に結膜炎などを起こしてしまっている場合も涙液が増加し、流涙症となります。

【目に痛みをおこす疾患】
目に痛みを起こす疾患であるぶどう膜炎や緑内障でも涙液の増加、排出の減少が起こります。その他にも目にゴミが入ることでも一時的に痛みが起こり、涙液が増加します。

涙やけをおこしやすい犬種

パグ×シーズー

涙やけをおこしやすい犬種

  • 口から鼻にかけて短い、目が大きい犬種
    (パグ、シーズー、チワワなど)
  • 涙の通り道が詰まりやすい犬種
    (トイプードル、マルチーズなど)

などの犬種が涙やけをおこしやすいと言われています。

涙やけを起こしやすい犬種としては、パグやシーズー、チワワなどのマズルが短く目が大きい犬種があげられます。これらの犬種の子たちは、目のトラブルそのものが多く、流涙症も起こりやすいです。

その他にもトイプードル、マルチーズなどの犬種も鼻涙管が閉塞しやすいため涙やけが起こりやすいです。毛の色が白などの薄い色の子は、涙やけによりその部位が茶色となるためよく目立ち、ご家族が見つけやすいため問題となります。

一方で、毛が黒色などの子では、涙やけが気づかれづらくなるため少なく感じられるかもしれません。

犬の涙やけの診断

ミニチュアピンシャー

涙やけの診断方法

【先天性の診断】

  • 目の形、まつげに異常がないか確認
  • 角膜の傷、鼻涙管につまりがないか検査

【後天性の診断】

  • 問診を含め、症状にあった検査を行う

などの診断方法があります。

涙やけの診断は、もちろん目頭から鼻にかけての皮毛の色の変化、その皮膚に赤みがないかなどを診察することにより判断できます。毛色が濃い場合は、コットンなどを湿らせてぬぐうことでその汚れで気付けるでしょう。

涙やけがある場合に重要なことは、なぜ涙やけしているかということであり、その原因である流涙症の原因を診断する必要があります。流涙症の診断は、まず発症の時期によって上記の先天的なものか後天的なものかを確認します。

① 先天性の診断

診察の際に注意深く、目の形や睫毛などの観察を行い、その位置などから逆さ睫毛やまぶたの形の異常などを確認します。

次にフローレス検査という目の角膜の傷を調べる検査液を用いることで、目から鼻に抜ける液体のスピードを確認することで鼻涙管の閉塞の有無を調べます。通常であれば3~5分で液体が鼻に抜けますが鼻涙管が詰まってしまっている場合は、それ以上か抜けないこともあるでしょう。

② 後天性の診断

もともとは涙やけがなかった子が育ち、成犬となってから涙やけになってしまった場合、後天性を疑って診断を行います。その場合は、多くの目の疾患の鑑別が必要になるため、問診とともに眼圧やスリット検査、シルマー涙テストなどいくつかの目に関する検査を行う必要があるかもしれません。

病気の種類によっては、目以外の全身的な病気も視野に入れて、検査する必要があるでしょう。

犬の涙やけの治療・緩和方法

涙やけ 拭く

涙やけの緩和方法

  • まぶたを温めマッサージをする
  • 涙やけ部分を拭く
  • 汚れた毛を短くカットして清潔に保つ
  • ドッグフードを切り替える

流涙症の治療ができないワンちゃんの場合、上記の方法で涙やけを緩和させることができます。

① 流涙症の治療

流涙症を治すためには、まずは原因をしっかり診断することが大切です。そして、もし後天性であり、治療可能な疾患であれば、治癒する可能性もあります。けれど、先天性では、点眼薬などの内科的な治療では根治させることが困難な場合も多く、まぶたの形状を変えるような外科的な治療になる場合もあります。

② 涙やけの緩和方法

先天性の流涙症のため、原因の治療が困難な場合、涙やけと付き合っていく必要があるかもしれません。そういった場合、ご自宅でもできる涙やけの症状を緩和させる方法には、下記のものがあります。

【眼瞼温罨法】
暖かくした蒸しタオルやコットンを用いてまぶたをマッサージしてあげることによって、血行を良くし、涙の油成分を促進させることで流涙を抑えることができます。

【ホウ酸水】
ホウ酸水を含むケア用品を用いて、涙やけを綺麗に清拭することで、その部位の皮膚の炎症を抑え、着色についても抑えることができます。

汚れてしまう皮毛を短く維持し清潔に保つ】
涙で汚れてしまった皮毛を長期間放置してしまうと、その部位が雑菌の温床となり、皮膚に炎症を起こしてしまいます。そのため、その部位の皮毛を短く維持することで清拭しやすくすることができ、清潔な状態を維持することができます。

【涙やけは、ドッグフードで緩和するの?】
流涙症の原因が普段与えているフードから起こっている食物アレルギーの場合、食餌を変更することで涙やけが改善するかもしれません。食品添加物が涙やけに与える影響は不明ですが、オメガ3などの脂肪酸をバランスよく含むフードを選択することで、皮毛や皮膚の状態を良好に保つことも良いでしょう。

まとめ

獣医師 犬

涙やけを放置すると、見た目が気になるだけではなく涙やけしている部分に雑菌が繁殖し炎症が出たり、かゆみがでる場合もあり、流涙症だけではなく他の目の病気を引き起こす事もあります

涙やけは先天性と後天性があり、先天性の場合点眼薬などの治療で治す事が難しい場合が多いです。そのため、まぶたをマッサージする・涙やけ部分を拭く・目の周りの毛を短くカットし清潔な状態を保つ・ドッグフードを切り替えるなどの方法で緩和してあげましょう。

長期的なケアが必要になった場合も、ワンちゃんとのスキンシップの一環と考え、楽しみながら行うようにしてあげてください。

涙やけの多くは目に何かしらの問題が起きている可能性があるので、もしワンちゃんに涙やけの症状が見られた場合は一度お近くの動物病院にご相談下さい。

  • 流涙症という病気が原因で目の周りが茶色くなることを涙やけという
  • 涙やけを放置する事で他の病気を引き起こす可能性がある
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獣医師 高橋 渉
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2011年北里大学獣医学部獣医学科卒後、都内と埼玉の動物病院に勤務。2018年東京都杉並区に井荻アニマルメディカルセンターを開院しました。犬猫に優しい病院作りを目指し、キャットフレンドリー、フェアフリーなどの取り組みを行っています。
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